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経営財務管理のプロセス

1.中期計画の策定

(1)中期ビジョンの明確化
  1. 中期的にどのような会社を目指すのかの目標を具体的に設定
    ・自社の将来達成目標を明確にするのが目的
    ・期間は3~5年を想定する(大企業においては通常3年のターム)
  2. この場合の目標は下記3分野で設定するのが一般的
    ・財務指標(経常利益○円、自己資本比率○%、営業利益率○%、有利子負債○円圧縮等)
    ・事業規模(売上高・取扱い数・店舗数・シェア等)
    ・事業領域(どのような商品をどのマーケットにどのような戦略で売るか)
    ※財務指標をコア目標とし他の分野をその実現のための副次的目標としたほうが、取り組みやすい
  3. ビジョン策定にあたり自社の強み・弱み等の自社分析・リスク分析を事前に実施し、現状把握と経営課題の抽出を事前に行っておく

(2) 中期計数計画の策定
  1. 上記中期ビジョンを財務面から裏付ける年次別計数計画を以下の手順で策定
    ・売上・原価・変動費計画、販売及び製造固定費計画、在庫・仕入・生産計画、回収支払計画、設備投資計画、昇給・採用計画等
    ・上記計画に伴う資金計画(借入・返済計画、増資計画等)
  2. これらに基づき年次別予想B/S、P/L、キャッシュフロー計算書を作成
  3. 上記に基づき、重要財務指標も算出
    損益計算書が増収増益でも、貸借対照表や利益率により銀行の格付が下がる可能性もありうることからも重要財務指標の検証が必要
    → 財務指標の状況(=債務者格付変化)によっては、借入による調達困難が予想され計画を練り直す必要もある
  4. 計数実現のための方法もこの段階までに詰めておく
    方法論は中期ビジョンの明確化段階と平行して行うのも一法
  5. 銀行に長期借入の申し込みを行う場合は、本中期計数計画を添付すれば効果的

2.単年度計画の策定

(1)中期計画に基づき、これを単年度月次計画に落とし込む
中期計画をより具体化するのが目的

(2)実行性のある計数で作成
前年度月次実績をベースにするのも一法

(3)計数実現のための方法は、中期計画よりも具体的に検討する

(4)売上の商品・製品分類にあたり以下に留意する
・月次計数での実績管理が可能な分類(必須)
・利益率、売掛回収サイトが大きく異なるものごとに分類する
・細かいものは一括する

(5)期中に銀行借入を行う必要がある場合は、借入申込時に本単年度計画を添付すれば効果的

3.予算・実績管理

(1)単年度計画に基づき、月次で計画と実績の差異を検証
*計画とのズレから将来予測を行い、早めに対応策を講じるのが目的
*最も重要なプロセスであり、これを行わなければ計画自体の意味が失われる
*そのためには月次決算ができる体制が必須

(2)計数のズレを見るだけでなく、その原因を把握するのがポイント
  1. ズレの原因は何か
  2. その原因は、構造的なものなのか一過性のものなのか、内部要因か外部要因か
  3. どうすればいつまでに解決可能か、あるいは解決不可能なのか

4.目標管理と財務管理は似て非なるもの

上記予算・実績管理(2)の原因把握以降のプロセスが違う

(1)目標管理
原因を一刻も早く解決し、あくまでも目標必達をめざす
(2)財務管理
特に、資金面・利益面に関しては計画とのズレ原因を踏まえたシミュレーションを行い、早期に資金手当て等の対策を講じる
・シュミレーションはメインシナリオ・サブシナリオ・リスクシナリオと3通りくらい考えておくほうがベター
・ポイントは、シナリオ別に1.月次の資金繰り2.決算見込み3.決算見込みに基づく銀行格付変化がどの程度違うか